本書は、毎年カウンセラー向けに開催されている「一色真宇直伝！誘導瞑想のすすめ方講座」で行われたモニターセッションの1つのケースについて、カウンセリングのその後を追った貴重な記録です。
講座後、手元に送られた解説書を読んだ相談者の見原様が、カウンセリング中に思ったことやその後に気づいたことなどをカウンセラーの一色先生にフィードバックしてくださいました。相談者様の心の声と、それに対する一色先生の更なる解説を加えることで、相談者様の悩みの正体が明らかになり、そのやり取りは心の軌跡の記録となり、この本の完成に至りました。

一色先生は第一部の「はじめに」で、特に大きな問題がない方のカウンセリングは難しいと書かれています。その理由が「無知」にあり、それを知ることほど難しいことはなく、無知は成長の壁を作るとおっしゃいます。
本書には「無知」に気づいていく相談者様の体験が細かく記録されています。読者のみなさまはそれを読み「無知」というものに気づく疑似体験をしていただける内容となっています。

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皆さんは、自分の「無知」を修正したことがありますか？
フラクタル心理学では問題の原因は、「傲慢、怠慢、無知」であり、それ以外に原因はないと学びます。
皆さんは、今まで受講した講座の中で自分の「傲慢」、「怠慢」を見つけ出し、修正してきたことでしょう。
それでは「無知」はどうでしょうか？

フラクタル心理学、TAWフラクタル現象学を学ぶということで、今まで知らなかったこと、誰も教えてくれなかったことを「知る」ということができました。
しかし、教わった知識が自分のものになったわけではないということに気づいていましたか？
一色先生のセッションを受けてみると、それが如実にあらわになります。
私はフラクタル心理学やTAWフラクタル現象学の講座を受講して、自分が「無知」ではないと思っていました。
でも、世間知らずの未熟なインナーチャイルドがあぶり出されてしまいました。ごまかしや美化は通用しません。

「誘導瞑想のすすめ方講座」の解説書は、実際のカウンセリング中に語られなかったとても大事なことが語られています。
カウンセリング中には理解できなかったけれども、冷静に何度も解説書を読み込むことで、あの時のカウンセリングの流れがやっと見えてくるのです。
そして、自分を作り上げた思考の核の部分がようやく見えてきます。

「無知」を修正するなんて、考えたこともなかったという方も多いでしょう。
しかし、自分が成長するために必要な最後の修正は、「無知」だと思いました。

フラクタル心理学を使って、自分を成長させたいと思っている方のために、この「本」が役に立ちますように。

皆さんは、自分が「知らない」ということを知っていますか？
どんなに定義を学んでも、自分が体験してつかんだことでなければ、それは言葉だけの理解です。
しかし、知らない、体得していない、という状態のときには、それが言葉だけの理解であることすら気づかないのです。

「知らない」ということに気づかないと、どんな状態になるのでしょうか？
わかっているつもりなのに空回りしているような気がして、無理なことを願っているのにまったく気づかない、というような状態になるでしょう。
努力しているのに、結果が出ないと感じて、不条理を感じているかもしれません。
しかし、このことに気づくのは、知らない宇宙の話を聞いてそれを想像するような難しさなのです。

幸いにも、私のカウンセリングで、その後自分がその状態にあったと気づけたかたがいらっしゃいました。そして、その心理状態を言語化することができたのです。これは大変貴重な記録となりました。
自分が「知らない」という状態であったことをあとで知って言語化するという稀有なできごとの軌跡を、あなたもぜひたどってみてください。
きっと、あなたの中にある「知らない」ことが浮き出てくるきっかけとなることでしょう。

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